遺跡の紹介

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大極殿古墳(だいごくでんこふん)

~乙訓を代表する中期古墳~ 鶏冠井町大極殿 全壊

長岡宮跡大極殿院回廊の北東隅角と重複した位置に所在し、この造営の際に墳丘は破壊され周溝が埋められたようです。周溝は発掘で確認された長さが10mほどですが盾形を呈し、墳丘部が円形になることから前方後円墳である可能性が想定できます。出土遺物には円筒埴輪と盾形埴輪があります。前者は均整のとれた器形で、外面の器壁には水平方向のヨコハケを静止させながら突帯間を2~3周めぐらせています。窖(あな)窯(がま)焼成品で桂川右岸地域の中期古墳の埴輪の中では最も精巧につくられており、後者にみられる奈良県御所市宮山古墳出土例に近似した要素とあわせ考えると、大王墓級古墳で採用されている製作技術の影響がうかがえます。山畑古墳群を構成する1基でありその造営集団の中では盟主的な位置を占めた人物が埋葬されていたものと思われます。

『向日市埋蔵文化財調査報告書』第18集・第25集

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