- 古墳・古墓
南小路古墳(みなみこうじこふん)
~小型の埴輪を並べた後期古墳~ 上植野町南小路 全壊
向日丘陵の先端部前面にひろがる段丘の南斜面には古墳時代後期・終末期の墓域が形成されています。標高26m付近には終末期の小形石室を備えた方墳3基が群集する仮称法華(ほっけ)寺(じ)古墳群、約70mの距離をはさんで標高25m付近では西小路古墳、さらに170m南側の標高22m付近の段丘崖上には南小路古墳がつくられています。南小路古墳は直径20m以上の円墳もしくは前方後円墳で、長岡京の造営時に破壊され周溝のみが遺存していました。周溝内からは普通円筒・朝顔形・形象埴輪、須恵器が出土しています。円筒埴輪は底部径が9~13㎝ほどのかなりの小形品で、長岡京市舞塚古墳例と同じ規格を有していたとみられ桂川流域の円筒埴輪の中では最小品となります。高さ約40㎝、3条突帯4段構成に復原が可能です。築造年代は陶邑(すえむら)窯跡群の陶器山(とうきやま)15号窯出土品と近似した須恵器が出土しており、6世紀前葉頃にみることができます。西小路古墳と近接した時期の首長級古墳と考えられます。
『向日市埋蔵文化財調査報告書』第27集