遺跡の紹介

  • 古墳・古墓

山開古墳(やまびらきこふん)

~子持勾玉の出土した古墳~ 森本町山開 全壊

森本遺跡の水路遺構のすぐ南側は地形が約2m高くなって段丘崖が東西にはしります。古墳はこの縁辺部につくられ、直径約23mの円墳と考えられています。長岡京期に削平されていたため周溝だけが確認されていますが、葺石や埴輪の使用はなく子持勾玉1個と初期須恵器杯1個、甕(かめ)破片などが出土しています。子(こ)持(もち)勾(まが)玉(たま)は暗緑色の蛇(じゃ)紋岩(もんがん)でつくられ、長さ9.3㎝、幅3.5㎝、厚さ3.1㎝の大きさで勾玉形の小さな装飾が腹部1個、背部3個、側面2個ずつついています。頭部には鳥の頭を思わせるくちばしや目の表現がみられ珍しいつくりとなっています。出土した須恵器は陶邑(すえむら)窯跡群の高蔵(たかくら)73号窯出土品と近似しており、わが国で須恵器生産が始まった最初期の特徴を有しています。向日丘陵周辺の中期古墳の構成を考える上で重要な古墳と考えられます。

『向日市史』上巻・下巻 向日市 1983・1985年
小林清「向日市森本町山開発掘調査概報」『長岡京跡 向日市寺戸町東野辺・森本町山開発掘調査概報』向日市教育委員会 1973年
平良泰久「向日市森本町山開古墳とその出土遺物」『京都考古』第19号 1976か1975年
『埋蔵文化財調査概報』京都府教育委員会 1976年

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