- 集落跡
南垣内遺跡(みなみかきうちいせき)
~街道沿いの中世集落~ 寺戸町南垣内・辰巳・殿長・西野辺・中野
向日市役所の北東100m付近の段丘上に位置する中世集落です。1978~1980(昭和53~55)年、物集女街道西側の南垣内で、鎌倉時代の区画溝、掘立柱建物1棟以上(宮第83次地点)、掘立柱建物15棟(宮第106次地点)が確認されました。これが遺跡発見の契機となり、その後の調査により広い範囲で掘立柱建物、溝、土壙、井戸が確認されています。遺跡の南部では、鎌倉時代(13世紀後半)の瓦器、土師器、陶磁器(輸入・国産)など、日常生活に密着した出土品があります。北部では15~16世紀を中心とする遺構群が出土しており、時代が新しくなると集落の中心が北部に移動したようです。物集女街道沿いに開けた中世集落で、現寺戸集落の原型となった遺跡と考えられます。寺戸城との関連でも注目されます。
『向日市埋蔵文化財調査報告書』第7集・第32集・第53集・第62集(第1分冊)・第71集
『長岡京跡発掘調査研究所報告書 長岡宮』長岡京跡発掘調査研究所・(財)向日市埋蔵文化財センター 2003年