- 集落跡
殿長遺跡(でんちょういせき)
~古墳時代中・後期の拠点集落~寺戸町殿長・初田・中垣内・南垣内・向畑
阪急東向日駅の南西300mの段丘上に位置する旧石器(縄文時代早期)~室町時代の集落跡です。最も栄えたのは、古墳時代、平安時代です。旧石器(縄文時代早期)では、有(ゆう)舌(ぜつ)尖頭(せんとう)器(き)が採取されています(宮第141次地点)。遺跡がある段丘面では、約2万5000年前の火山灰(姶良(あいら)Tn)の二次堆積が頻繁にみられ、火山灰下でシカの足跡が出土する(宮第270次地点)など、市域の旧石器~縄文時代の様相を知ることができます。古墳時代中・後期では、方形の竪穴住居、溝、土壙が多数発見され、当地域における中心集落のひとつであったようです。平安時代(9・10世紀)では掘立柱建物、溝が確認され、市域ではめずらしい緑釉(りょくゆう)・灰釉(かいゆう)陶器が出土しています。西方の宝菩提院廃寺(願徳寺)との関連が考えられます。
『埋蔵文化財調査概報告』京都府教育委員会 1971年
『向日市埋蔵文化財調査報告書』第21集・第25集・第36集・第46集