遺跡の紹介

  • 史跡乙訓古墳群

物集女車塚古墳(もずめくるまづかこふん)

~6世紀前葉の前方後円墳~物集女町南条

全長:約46m
後円部:直径約24~32m、高さ9m、
前方部:長さ約18~23m、幅約39m、高さ約8m
くびれ部:幅約36m

墳丘は後円部、前方部とも二段築成。ごく一部に葺石(ふきいし)が施され、埴輪(はにわ)が並べられていました。
埋葬施設は6世紀初頭に成立する「畿内型」の横穴式石室で、玄室(げんしつ)空間は床面が長方形で、天井は平坦、玄室入口に袖石(そでいし)を置き、羨道(せんどう)の幅は均一です。羨道に対して玄室が高く、袖石の上にのせる前壁は3段積みで、玄室左右の側壁は内傾させながら5段に積まれています。床には石組みの排水溝が設けられています。
石室の構築石材の中には、中期古墳にみられる竜山(たつやま)石製の長持形(ながもちがた)石棺の部材が転用されています。物集女地域につくられた前代の有力者の墓を破壊してこの古墳はつくられたのかもしれません。
副葬品は金銅装の冠や馬具、捩り環頭大刀(ねじかんとうたち)、鉾(ほこ)、玉類などが確認されています。
石室の構造と副葬品の内容から、継体大王(けいたいだいおう)の近くにつかえた新興豪族が葬られたと推測できます
石室は毎年春季に一般公開されます。問い合わせは向日市教育委員会まで。

[文献]
『京都府史跡勝地調査会報告』京都府
『埋蔵文化財調査概報』1968年 京都府教育委員会
梅本康広「淀川流域の東海系埴輪とその製作動向」『埴輪論叢』第6号 埴輪検討会 2006年
『(財)向日市埋蔵文化財センタ-年報 都城』№10 (財)向日市埋蔵文化財センタ-
『向日市埋蔵文化財調査報告書』第12集・第16集・第23集・第30集・第40集

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