- 城館跡
西小路遺跡・上植野城跡(にしこうじいせき・かみうえのじょうあと)
~段丘上の中世集落~ 上植野町西小路・北小路・南小路・円山・地後・野上山・薮ノ下
[西小路遺跡]上植野公民館付近の段丘上に位置する13~15世紀の集落跡です。西小路・北小路、南小路にある住宅街の調査では、13~15世紀の堀状の溝跡、掘立柱建物が多数確認されています。中世の西小路遺跡は、古代の地割の痕跡をとどめ、幹線道ともなった中筋道(なかすじみち)を集落内に取り込んだめずらしい集落形態をもっています。集落は、低地にあった鎌倉時代の小集落が段丘上に集村した結果形成されたと考えられます。
[上植野城]持泉寺(じせんじ)(北小路)とその西側の市営住宅付近には、「上植野城」という城館がありました。応仁の乱の際、寺戸の土豪、野田泰忠(のだやすただ)が残した戦場記録に「秋田館上野(あきたやかたうえの)」として登場します。主郭は約70m四方で、秋田氏の城館と推定されています。
[文献]
『向日市埋蔵文化財調査報告書』第57集・第67集・第103集
『長岡京跡発掘調査研究所報告書 長岡京跡・東土川西遺跡・修理式遺跡』長岡京跡発掘調査研究所・(財)向日市埋蔵文化財センター 2003年