- 城館跡
寺戸城跡(てらどじょうあと)
~古地図に残る城館跡~ 寺戸町古城・西野
向日市役所の北東300mの段丘上に位置する、中世の在地土豪、竹田氏の城館跡です。竹田氏は1336(建武3)年に御家人となり、1351(観応2)年には上久世庄の公文職(くもんしょく)となった有力国人です。江戸時代末期の「寺戸村古地図」に方形区画で表現された小字「御城ノ内(おんしろのうち)」が城館の候補地です。東は物集女街道、北は大原野道と幹線道に面し、寺戸村の中心集落に接する場所に当たります。想定地内での発掘調査では、土塁、堀は未確認ながら、鎌倉~室町時代の遺物、土壙、井戸などが密集して検出されています。なお、『野田泰忠軍忠状(のだやすただぐんちゅうじょう)』には、「寺戸山に小城をいとなむ」とあり、丘陵斜面を上った宝菩提院の寺院地周辺も城として利用された可能性があります。
[文献]
中島至「京都府の城」『日本城郭全集』8 1967年
中井均「地域における中世城館の構成-乙訓の視座から-」『長岡京古文化論叢』Ⅱ 中山修一先生喜寿記念事業会 1992年
『向日市埋蔵文化財調査報告書』第120集