遺跡の紹介

  • 史跡乙訓古墳群

五塚原古墳(いつかはらこふん)

~古墳時代前期初頭(3世紀後半)の前方後円墳~ 寺戸町芝山 全長約91m
後円部:直径約54m、高さ約9m、三段築成
前方部:長さ約41m、高さ約m4、二段築成
くびれ部:幅約15m、高さ約2m

奈良県桜井市箸(はし)墓(はか)古墳の墳丘規格の1/3相似形墳で最古型式の前方後円墳のひとつと考えられています。後円部と前方部の段築が連続せず、前方部の平坦面が墳頂と同じ高さまで大きくせりあがる「斜路状平坦面(しゃろじょうへいたんめん)」は、この時期の古墳の特徴です。

墳丘の斜面には葺石(ふきいし)、平坦面には礫敷(れきじき)が施され、全体が石で覆われた「石の山」のような外観であったと考えられます。
後円部中央には川原石を用いた竪穴式石室(たてあなしきせきしつ)がつくられ、墳頂には二重口縁壺が並べられました。
元稲荷古墳や寺戸大塚古墳とともに墳丘規模が90m級と近似しており、墳丘の設計規格を同じくする可能性が高いとみられます。

[文献]
『埋蔵文化財調査概報』京都府教育委員会 1968年
堅田直「京都府五塚原古墳の電探調査」『みつがらす』第1号 帝塚山大学考古学研究室 1968年
和田晴吾ほか『向日市五塚原古墳の測量調査より』『王陵の比較研究』京都大学文学部考古学研究室 1981年
『京都府史跡勝地調査会報告』第5冊 京都府
『五塚原古墳第1・2次発掘調査概報』立命館大学 2003年
近藤喬一・都出比呂志『向日丘陵の前期古墳』向日市文化資料館 2004年
『向日市埋蔵文化財調査報告書』第117集
『向日丘陵古墳群調査研究報告』第3冊 五塚原古墳の研究 (公財)向日市埋蔵文化財センター 2021年

 

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