公益財団法人 向日市埋蔵文化財センター

太政官厨家(向日市鶏冠井町沢ノ東)

太政官厨家(向日市鶏冠井町沢ノ東)

太政官厨家(だじょうかんちゅうけ)は、太政官の下級官司である。地子物(ぢしぶつ)の管理や厨房として食事の用意、そして諸司の器物の保管を行った役所である。

 

左京三条二坊八町に置かれたことが判明している。1977年、鶏冠井町沢ノ東の立会調査で、大量の木簡が発見され、数次に及ぶ発掘調査が行われた。左京三条二坊八・九町の宅地中央で発見された幅3~4m、深さ0.6mの幹線溝から、木簡478点、墨書土器319点など、長岡京期の各種遺物がまとまって出土した。

 

木簡は、厨家に関係するもの、造長岡宮使(ぞうながおかぐうし)に関係するものの2種がある。前者は、地子物の荷札、官司間の請飯木簡が多数を占め、律令国家財源がどのように確保されたか、また現業官司の実態を明らかにした資料となった。後者は、隣接する左京三条二坊九町が造長岡宮使とする推定の根拠となった。

 

※地子物:班給した残りの土地を農民に賃貸して得た地代。

 

政官厨家の木簡

政官厨家の木簡

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